あなたは人にものを教えるときに苦労した経験はありませんか?
教え方がわからない、説明がヘタ、相手が理解できなくてイライラするなど、教えるのが苦手な人は多いですよね。
結論から言うと、相手の性格に合った教え方ができれば、相手は勝手に成長しますよ。
本記事では、
- 教えるのが苦手な人が見落としていること
- 相手が「勝手に育つ」ように教えるコツ
についてお話しします。
パン
ぼくは伝え方コミュニケーション検定の『上級者』です。
本やセミナーで学んだヒューマン・スキルを実践しながら情報発信しています!
本記事を読めば、相手がぐんぐん育つ喜びを味わえるようになるはずです!
目次
教えるのが苦手な人が見落としていること
「教える」とは少し違いますが、ちょうどいいエピソードがあるので紹介します。
【体験談】保険に入るべきか否か
実家で食事中、祖母から「保険に入りな」と言われました。
祖母いわく、
祖母
自分は保険に助けられた。お父さん(祖父)が病気で入院したときも、普通なら1カ月6~7万円かかったところを、月々5000円の保険料だけで済んだよ。
だそうです。
でも、聞きながら思いました。
ぼくは「健康オタク」だから、病気のリスクは普通の人よりも低いはず。使わないものにお金はかけたくない。だから保険はいらない。
実はこの話題、すでに5回はしています。年齢のせいか、祖母は同じ話を繰り返すのですが、毎回同じ「説得方法」なんですよね。
伝わらないのは、理解できないというより、響いていないのです。
教えるのが苦手な人がやりがちなこと
教えるのが苦手な人は十中八九「自分のトークスキル」に意識を向けています。
試しに「教えるのがうまい人」をイメージしてみてください。
- 話す順番が整然としている
- 結論や要点がはっきりしている
- エピソードを交えている
こんなイメージですよね。
ですが、先ほどの保険の話でも、祖母はやっていました。
- 保険に入ったほうがいい
- なぜなら、いざという時に助かるから
- 事実、お父さんが入院したときはとても助かった
でも、ぼくはピンと来ていません。
ハッキリ言って聞き流しています。
その理由は、ぼくの価値観にマッチしていなかったからです。
重要なのは「相手にとって大切なこと」
人にものを教えるときは、たった1つだけ意識すればOKです。
教えるコツ:意識するべきただ1つのこと
「相手が聞きたいこと」を意識するだけ。
本当にこれだけです。
よく使われる例ですが、おじいちゃん・おばあちゃんにスマホの使い方を教えるときに
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ここをこうしていただくと、お孫さんのお顔を見ながらお話しができますよ
と伝えるイメージです。
相手に注目することが最高の「教えるコツ」です。
先ほどの保険の話も、ぼくは「迷惑をかけたくない」という想いがあるので「保険に入れば家族に迷惑をかけずに済む」を中心に、このように説明するといいでしょう。
祖母
自分が病気になったときに保険に入っていないと、子供が払うしかないんだよ
そうすれば、残りの情報は真剣に耳を傾けるか、もしくは自分で調べます。
- どの保険がお得か
- どうやって加入するのか
- いざというときはどうやって使うのか、など
繰り返しになりますが、「相手が聞きたいこと」に意識を向けるべきです。
「相手が聞きたいこと」を知る方法?
でも、こうは思いませんか?
「相手が聞きたいこと」はどうやって知ればいいの?
相手に「何が聞きたいですか?」と尋ねても、きっと答えてくれません。本人もよくわかっていないからです。
でも、相手には必ず「価値観」があり、その価値観に触れることができれば学ぶスピードはF1カー並みです。
では、どうすれば知ることができるのでしょうか?
実は、人の価値観は「性格」に強く依存しています。
性格統計学が教える「3つの価値観」
ここからがとても重要です。
人の性格は「願望・平穏・納得」に分けられる
人の性格(価値観)は、大きく分けて3つしかありません。
願望型・平穏型・納得型の3つです。
パン
各性格ごとに「最適な教え方」があるので、それぞれをサクッと紹介しますね。
願望型に教える場合
願望型(ビジョン)は、擬音・大ざっぱ物言い・ざっくりとした指示を好みます。
- どんどん・どーんと・ふんわりと
- スゴイ・絶対・とりあえず
- 「イイ感じのお皿を持ってきて」
逆に、細かい指示や束縛は大嫌いです。例えば「てんぷらを作るときは油を180度にしましょう」の「180度」が束縛されているようで「自分に料理は向いてない」と感じます。
「てんぷらを作るときは、油の温度をしっかり上げておきましょう」でOKです。
すると「こんな感じかな」と脳内イメージで映像を見るのでワクワクしてきます。実際にやりながら学んでいくスタイルが大好きです。
「保険に絶対入っておいたほうがいいよ!」と熱意でプッシュすると心に響きます。
平穏型に教える場合
平穏型(ピース)は、本質や理由を知りたいと考えます。目的意識が強く、さらに「人に尽くしたい」と考えています。
- 「これをするのは、これのため」
なので、手順しか教えないのはNGです。「なぜてんぷらを作るのか」を伝えるほうが、よほど効果があります。
実家から野菜がたくさん送られてきたから、天ぷらにしよ!
目的を教えることで「それならば」となり、必要な行動を考えられるようになります。
パン
ぼくはピースなので「保険に入るのは、自分の子供に迷惑をかけないため」という伝え方だと心に響きます。「自分のためではない」がポイントです。
納得型に教える場合
納得型(ロジカル)は、手順通り・正確に物事を進めることを良しとします。なので「丁寧すぎるくらい細かい教え方」がとてもグッドです。
- 玉ねぎは半玉
- 厚さは3~5㎜で
- 縦に切って
願望型とは逆で、大ざっぱな指示が大嫌いです。例えば「玉ねぎ切っといて」と言われると「何個?切る厚さは?どんなふうに切ればいいの?」と詰問したくなります。
「保険料は月々5000円。入院すると1カ月あたり約6万円。入院1カ月で1年分の保険料が戻ってくるよ。もし10か月入院したらと思うと、保険に入ったほうが得だと思わない?」のように具体的に教えると効果的です。
相手の性格に合った教え方だと、どうなる?
相手の性格に「合わない」教え方をしてしまうと、本当にイライラさせられます。どれほど創意工夫を凝らしても、わかってもらえないからです。
- 手ごたえがない
- 相手が戸惑う
- 相手が何度も間違える
繰り返しになりますが、重要なのは「相手が聞きたいこと」に意識を向けることです。
相手の性格に合った教え方ができると、相手は自主的に行動します。
この人の教え方は脳と心にすごく響く!
- ビジョンなら「やりたい!」
- ピースなら「やるべき!」
- ロジカルなら「できそう!」
相手のやる気を引き出せると、レクチャー・業務委託・子育てなど、幅広い場面で有利になりますよ。
だからこそ「相手の価値観を知って、相手に合わせて教える」ことがとても大切です。
まとめ:相手の性格がわかれば、教えるなんてワケナイ
教えるとは、相手がきちんと理解できるように導くことです。
そのためには、相手のことをあなたが先に理解してあげる必要があります。
それさえできれば、あとは相手に合わせて表現を選ぶだけ。
ぜひ本記事の内容を実践してみてくださいね。
今回は以上です。