公園や実家から帰るとき、子供が「帰りたくない!」と駄々をこねると困りますよね。
脅しも譲歩もなしで、気持ちよく連れ帰ることは可能でしょうか?
結論から言うと、子供の性格に合った声かけをすれば、連れ帰るのは簡単です。
本記事では、
- 誤った声のかけ方「否定ダブルバインド」
- 性格にあった正しい声のかけ方3パターン
についてお話しします。
パン
ぼくは伝え方コミュニケーション検定の『上級者』です。
本やセミナーで学んだヒューマン・スキルを実践しながら情報発信しています!
本記事を読めば、子供を笑顔のまま家に連れ帰る方法がわかるです!
目次
子供の人生を破壊するNGな声かけ
本題に入る前に、絶対にやってほしくない声かけ「否定ダブルバインド」について解説します。
逃げ道のない、凄まじいストレスを与える最悪の「脅し方」
子供にとって凄まじいストレス「ダブルバインド」
母親
もう帰るよ!
子供
イヤ!もっと遊ぶ!
母親
じゃあ勝手にしなさい!
先に帰るから。バイバイ!
公園では、こうしたやりとりをよく見かけます。駄々をこねる子供につい言いたくなりますよね。
ところで、子供が本当に勝手にしたら「いい加減にしなさい!」と怒鳴って腕を引っ張りませんか?
「勝手にしろ」と言っておきながら「いい加減にしろ」と叱る。最初のメッセージを否定する矛盾した命令をダブルバインド(二重拘束)と言います。
ダブルバインドとは?
ダブルバインドの特徴は、次の2点に集約できます。
- “された側”はどちらを選んでも罰を感じる
- “された側”は他に逃げ道がない
よって、“された側”は凄まじい精神的ストレスを受けます。
子供
“どうせ”無理やり連れて帰るんでしょ。
この”どうせ”感がすっごくマズイんです!
ダブルバインドがいけない理由とは?
ダブルバインドによる脅しは、子供に甚大な悪影響を与えます。
- 楽しい気持ちが台無し
- 子供が「脅し方」を覚える
- 親を信用しなくなる
- 自己主張できなくなる
- 自分で考えなくなる
- 自己肯定感が下がる
あなたも経験があるかもしれませんね。
例えば、職場にこんな上司はいませんか?
- 上司「何でも聞いて」→自分で考えろ
- 上司「なんとか言え」→言い訳するな
こんなことをされたら、上記6つの症状があなたに襲い掛かるはずです。
【体験談】ダブルバインドのはずが、マジだった件
ぼくがなぜ本題に入る前に「ダブルバインド」を紹介したのか。
パン
その理由は、とある「思い出」に起因します。
お祭りの屋台で駄々をこねたら
ぼくが4~5歳だった頃、とある大きなお祭りで事件は起きました。
はぐれないように母の手をつないで歩いていたら、ある屋台で大きなジュースがたくさん陳列されていました。
1本500円でしたが、飲みたかったので「ママ買って」とお願いしたんですね。ところが、母は「いらないよ!」と言って手を引っ張りました。
たしかに、スーパーで2L150円で買えるものを500円で買うとかアホ過ぎです。でもそれは大人の感覚であって、幼かったぼくは「なんで!」と思いました。
納得いかない。
どうしても飲みたい!!
ダブルバインド大失敗
腕を引っ張られたぼくは、逆に母を引っ張ってなんとか説得しようとしました。
すると母は「じゃあ勝手にしなさい!ママは行くから!」と言って、なんと人混みの向こうへと消えました。
本当に一瞬の出来事でした。その場で1人ポツンと残されたぼくは、たぶん追いかけようとして、その場から離れてしまったんです。
周りをいくら探しても、知らない大人たちの大きな背中が見えるだけ。母の居場所も、自分がどこから来たのかも、どうやって家に帰ればいいのかもわかりません。
大泣きするしかありませんでした。
警官がやってきて…
いつの間にか警官がやってきて、交番までやさしく誘導してくれました。
交番では親の名前や住所などを聞かれましたが、自分の名前しかわかりません。親の名前すら知らないことに愕然としつつ、このまま一生会えないかもしれないと思いました。
しばらくすると、母がダッシュで交番に突入してきました。その場の全員の安堵した表情を今も覚えています。
子供にとっての正解とは?
親からすれば「ジュースを買うか、買わないか」の2択ですが、子供にとっては違います。
愛を感じるかどうか。
子供が重視するのはソコだと思います。
親として、我が子の性格に合った「誘導の声かけ」はぜひマスターしてほしいところ。
という訳で、ここからは、子供が言うことを聞いてくれる正解の声かけを3パターンご紹介します。
子供の性格タイプ別「言うことを聞く声のかけ方」
性格統計学を使った『性格別・声のかけ方』をご紹介します。
性格に合った声のかけ方とは?
「公園から帰りたがらない子供には、こう言いましょう」
とシンプルな答え1つで済めばよかったのですが、残念ながらそういうわけにはいきません。
なぜなら、性格によって感じ方が全く違うからです。
前置きはこの辺にして、さっさと本題に入りましょう!
よくわからない方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
ビジョン・ピース・ロジカルに分けてお伝えします。
ビジョンには「利益」を伝えよう
ビジョンは願望で動く人です。やりたいか、やりたくないかで判断します。
したがって、お子さんがビジョンなら「利益」を教えるといいですよ。
公園で遊ぶ < 家に帰る
となれば、さっさと帰ろうとします。
- 夕飯の献立(子供の好きなもの)を教える
- 今すぐ帰るならおやつだよ!と伝える
- 家で~して遊ぼうと伝える
ぜひ「帰ったらこんな楽しいことがあるよ!」と伝えてあげてください。
「肯定ダブルバインド」をマスターしよう
本記事の前半で「否定版」を紹介しましたが、実は「肯定ダブルバインド」もあります。
今すぐ帰っておやつ食べるのと、16時まで遊ぶの、どっちがいい?
子供がビジョンなら、このような「二者択一の質問」が有効です。
ポイントは「どちらを選んでも良い質問」にすること。
本命が16時なら、30分前くらいに質問しましょう。
この方法なら子供は従ってくれますし、駄々をこねたら「約束破っちゃうんだ。ママ悲しい…」と伝えれば大丈夫です。
利益が思いつかないときは?
子供にとっての利益が思いつかない。
子供がどちらの選択肢も拒絶する。
そんなときは、子供にとっての「理想」を引き合いに出すといいですよ。
1番いいのは、子供が大好きな戦隊シリーズのヒーローです。
- あのヒーローのようになりたければ…
- あのヒーローならきっとこうするよ
- あのヒーローはこの前こう言ってたよ
ビジョンの「願望」をうまく使いましょう。
ピースには「理由を説明」しよう
ピースは本質を知りたい人です。「なぜ?」を大切にします。
したがって、お子さんがピースなら「理由を説明」しましょう。「なぜ帰らないといけないのか」を伝えれば言うことを聞いてくれます。
- ママがお腹空いたから
- スーパーでお買い物しなきゃだから
- お父さんが帰ってくるから
帰るべき理由なんて、言ってもわかってもらえない。
大人になると、こんな風に考えがちです。
でもピースの子供は理由が大切なんです。
それなのに「帰るわよ!」だけだと「イヤだ・なんで」となります。
お祭りでの出来事を解説
母は、ピースのぼくに「買わない理由」を伝えるべきでした。
- 健康によくないから
- この500円でお肉を買いたいから
- 今お腹いっぱいになってほしくないから
そして「我慢してくれてありがとう!」で完璧です。
ピースは「相手軸」なので、これで言うことを聞いてくれます。
理由を説明しても納得してもらえないときは?
もし理由を伝えても動かないなら「ママの言い分はわかったけど、ぼく(わたし)は?」となっています。
なので、次は子供の言い分を聞いてあげる番です。子供の気持ちに共感してあげましょう。
- 帰りたくない気持ちに共感する
- そのうえで「帰ってくれたら助かる」と伝える
- 帰る直前に一緒に遊ぶ
「助かるよ・ありがとう」など、お礼をすごく喜びます。
ぜひ感謝も伝えてあげてください。
ロジカルなら「約束」を交わそう
ロジカルは、ゴールに対して合理的に判断したい性格です。「逆算思考」とでも言いましょうか。
したがって、「約束」が非常に効果的です。
「約束だから」で十分納得してくれます。
- 最初に帰る時間を伝えておく
- 「もう時間だよ」でOK
ロジカルの子供には、ゴール(帰宅時間)を伝える。これだけでOKです。
帰宅時間を伝えておけば、ちゃんと計算してくれます。
言うことを聞いてくれたら「さすが・~なところイイね」と具体的に褒めるとさらにグッド!
まとめ:あなたのお子さんの性格は?
うちの子はどの性格かしら?
ストレートに言いますが、伝え方コミュニケーション検定をぜひご購入下さい。ぼくは買いました。
もしくは、ぜひ本ブログの記事をいくつか読んでみてください。
なんとなく「これかな?」と思い当たるはずです。
我が子がとても良い子に育ってくれたら、これ以上すばらしいことはないですよね。
これを機に自己投資してみてはいかがでしょうか?
今回は以上です。