「人を褒めてはいけない」で有名なアドラー心理学は間違っているかもしれません!!
なんと、心理学者アルフレッド・アドラー(以降アドラー)は褒め言葉を「人を操るための言葉」と感じる性格と判明しました。
アドラーにとっては褒める=操るための行為ですが、あなたも同じとは限りません。
本記事では、
- 「褒める」と「勇気づける」の違いとは
- アドラーが知らない「響く褒め方」
- アドラーの性格と判明した経緯
についてお話しします。
パン
ぼくは伝え方コミュニケーション検定の『上級者』です。
本やセミナーで学んだヒューマン・スキルを実践しながら情報発信しています!
本記事を読めば、「響く褒め方」の重要性が理解できるはずです!
目次
「褒める」と「勇気づける」の違いとは
まずは、アドラー心理学の「人を褒めてはいけない」について解説しますね。
「ほめて伸ばす」は間違い?
突然ですが、あなたに質問です。
部下が成果を出したとき、あなたならどちらを選びますか?
A
よくやった!えらいぞ!
B
ありがとう。感謝するぞ。
Aは「褒め言葉」で、Bは「感謝の言葉」ですね。
常識では「ほめて伸ばす」なのでAが正解かと思いきや、アドラーは「絶対B。断固B」と主張します。
なぜでしょうか?
人を褒めてはいけない理由とは
アドラー心理学は本『嫌われる勇気』で世界的に有名になりました。
読むだけで心が自由になる最強の本です!
ぼくもすごく感銘を受けました!
そんなアドラー心理学ですが、教えの中に「人を褒めてはいけない」とあります。
簡単に言うと、
「褒めるという行為には人を操る意図がある。だから教育に良くない」
ということです。
「褒められるから」で頑張ってくれる“都合のいい人間”を作っている
例えば部下(あるいはお子さん)を褒めるのは「もっと褒められたい!」を狙っているからであり、褒めに対する依存状態を作る行為です。動機が「褒められるから」だと「ありのままの自分がしたいこと」ではなく、自律性を欠いています。
…とアドラーは考えます。
つまり人を育てるには「上から評価して褒めてはいけない。横から勇気づけることが大切」というのがアドラー心理学の教えです。
そしてアドラーいわく、人が最も勇気づけられるのは、共同体への貢献を「横から感謝されたとき」なのだそうです。
なので、先ほどの質問はBが正解ということですね。
さーて、ここからが楽しい
反論タイムだ!!
「褒める」も「勇気づける」も結局同じ?!
ぼくが本記事で1番伝えたかったことは、ズバリ「アドラーにとっては」です。
順番に説明しますね。
「感謝が響く人」には褒め言葉が響かない
「褒め言葉が響く人」には感謝が響かない
アドラーの性格は前者。すべての人に「褒めてはいけない」は間違っている。
性格統計学から見た「褒める」と「勇気づける」の違い
結論から言うと、アドラーの「褒める」と「勇気づける」の違いは、
性格統計学だと「響かない伝え方」と「響く伝え方」の違いでしかありません。
「性格統計学」って何ですか?
自分と相手の性格の違いを理解し、相手を正しく受け止め、相手に響くように伝える技術
話を戻します。
アドラーの主張では、褒める=操るための行為でした。
では、あなたにお聞きします。
あなたはどちらのタイプですか?
- 感謝の言葉を聞くと、心が満たされる
- 感謝の言葉を聞いても「礼儀」としか感じない
前者なら、あなたはアドラーと同じピースの可能性が高いです。
パン
ピースは人の役に立つことに喜びを感じます。ちなみにぼくもピースです!
ピースは褒め言葉を必要としません。
むしろ「何か裏がある?」と感じるほど。
ピース相手に心から褒めても、なかなか響きません!!
ピースにとっての褒め言葉は「助かった」や「ありがとう」なんです。
したがって、アドラーは自身の世界観において「褒める=操るための行為」と感じたわけです。
パン
性格がピースな人は、どれほど褒められても「ありがとう」がないと「ほんとに役に立ったのかな?お世辞かな?」と不安になります(>_<)
アドラーは性格統計学を学ぶべきだった!
もしアドラーが性格統計学を学んでいたら、きっとこうなっていたはずです。
この人の「すごいじゃん!」は、私には響かないけど、本心で褒めているのだな。
あの人の「ここはいいけど、ここがちょっと」という指摘は、私には否定に感じるけど、褒めた上での「次はもっとうまくやれる」という追加のアドバイスなのだな。
私は褒め言葉なんていらない。ただ「ありがとう」と言ってほしい。けれど、他の人にとっては「褒め言葉」が感謝の意なんだ。私とあの人は、感じ方が違うのだ。
褒め言葉も「勇気づけ」になる(勇気づけとは)
困難を克服する活力を与えること
Byアドラー心理学
実のところ、相手の性格に響く褒め言葉なら「勇気づけ」は可能です。
「すごい!」と褒めても勇気づけにならないのでは?
アドラーは「褒めると相手の自律性を奪う」と言いますが、「響く褒め方」ならきちんと自律性を高めることができます。
なぜなら、自己肯定感が高まるからです。
自己肯定感はとても大事!
コレがないと「うつ」になります。
だからこそ、褒めることが大切なんです!
それも「響く伝え方」で!
アドラーやぼくにとっては、感謝が「私には価値がある」につながります。
でも他の性格タイプでは、大げさな褒め言葉や具体的な評価が「自己肯定感」につながるわけです。
アドラーの性格を調べてみた
性格統計学を扱う株式会社ジェイバンは「伝え方ラボ」というアプリ(のようなもの)を提供しています。
この中で相手の誕生日を入力すると「持って生まれた性格」が出力されます。
本当なら出力結果をお見せしたいのですが、残念ながら1908年生まれ以降しか入力できませんでした。。。
アドラーの生年月日は1870年2月7日(wiki参照)です。
そこで、性格統計学の中級で学んだ「性格診断方法」を自力でやりました。
十干十二支を調べよう
「持って生まれた性格」を知るには「十干十二支」が必要です。
「理由」は省きます。説明が長い&未受講の方には難しいので。。。
干支カレンダーで調べたら、アドラーの十干十二支は「甲戌(きのえいぬ)」でした。
- 黄=ピース
- 赤=ビジョン
- 青=ロジカル
ピースですね。
アドラーいわく、人が最も勇気づけられるのは、共同体への貢献を「横から感謝されたとき」でしたね。
完全にピースタイプじゃん!!笑
パン
ぼくもピースなので「嫌われる勇気」を読んだときは本当に感銘を受けました。ですが…
「アドラーの世界観では」と知って少しガッカリしました。
他の人の世界観に気がつけなかったのかなと。心理療法家だったのに。
アドラー心理学の「勇気づけ」は間違っていた?!
ピースにとって、感謝は褒め言葉ではありませんが、心に響きます。
でも違う性格タイプだと「感謝=礼儀」止まりで、心に響きません。なので勇気づけになりません。
つまり、アドラー心理学は正しいと思うけれど、「勇気づけ」に関しては世界の3分の1しか見えていないということです。
…という訳で。
「褒めてはいけない」は間違った教えです!!
言いたいことを言えました。
それでも『嫌われる勇気』は人生観が大きく好転する1冊で非常におすすめです!
まとめ:アドラーは世界の3分の1しか見えていなかった
本記事を書こうと思ったキッカケは、アドラー心理学「人を褒めてはいけない」の解説記事を読んで違和感を感じたからです。
心から「スゴイ!」と思っても、本人に伝えてはいけないの?
どこが良かったかというフィードバックも与えてはいけないの?
その記事では「そう」でした。
でもぼくは「それは違う」と直感しました。
性格によって「響く言葉」は違います。
大切なのは、相手に響く言葉で伝えてあげることです。
これこそが本当の「勇気づけ」ではないでしょうか?
本記事を面白いと思った方は、ぜひ他の記事も読んでみてくださいね。
今回は以上です。